三井物産(株)

・企業概要

当社及び連結子会社は、鉄鋼製品、金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、生活産業、次世代・機能推進などの各分野において、総合商社である当社を中心として全世界に広がる事業拠点とその情報力を活用し、多種多様な商品の売買、製造、輸送、ファイナンスなど各種事業を多角的に行っており、更には資源・インフラ開発プロジェクトの構築、環境・新技術・次世代電力やウェルネスに関連する事業投資やデジタルを活用した価値創出などの幅広い取組みを展開している。 当社は本店に事業別の事業本部を置き、各事業本部は担当事業領域毎に内外一体となった総合戦略を立案し全世界で事業活動を展開すると共に、地域本部の各地域における事業戦略及び地域戦略の立案・実施に協力している。また、地域本部は地域戦略の要として担当地域の事業を任されており、事業本部と連携しつつ各々傘下の関係会社と共に幅広い多角的な事業を行っている。

・経営環境

①プロジェクトの着実な推進及び強固な収益力の実現

新型コロナウイルスの影響下においても、全セグメントを通じて日常生活に不可欠な資源・素材・食料・サービスを安定的に供給し、定性・定量面で貢献した。更に、新型コロナウイルスにより高まった巣ごもり需要や、デジタル・セキュリティー需要をしっかりと取り込むことで収益力の向上につなげた。

②下方耐性強化への取組み

収益の下方耐性強化への取組みとして、事業性の再評価を実施し、ポートフォリオの組み替えを推進した。エネルギーセグメントでは、脱炭素社会に向けて量より質を追求するE&P資産価値向上への戦略転換を実施した。既存事業の再編・再構築を通じ、下方耐性及び競争力強化の取組みを加速させている。

③事業経営力強化・DX推進

デジタル技術の一層活用やグループアドレス(組織ごとのフリーアドレス)の導入等を通じた社員の行動様式の変革に加え、成果へのコミットメントを念頭においた人事制度改定による社員の意識変革等、新型コロナウイルス感染収束後も見据えた次世代「働き方改革」を推進している。また、グローバル・グループでの適材適所と総戦力化を図るべく、グローバル次世代リーダー育成プログラムを拡充したことに加え、当社経営理念(Mission、Vision、Values)に基づくグローバルでの共通の行動基準(Mitsui Leadership in Action)を導入。

④財務戦略・ポートフォリオ経営の進化

新型コロナウイルスによる影響からの回復に向けた動きをしっかりと取り込み、堅調な鉄鉱石事業や素材・食料などのトレーディング、ICTやデジタル・セキュリティー事業の貢献により、基礎営業キャッシュ・フローは6,600億円の獲得となり、これに資産リサイクルにより獲得した1,450億円を合わせて8,050億円のキャッシュ・インとなった。また、投融資案件の厳選及び既存事業維持費用の削減を徹底したことで投融資は4,450億円にとどまった。

・従業員の状況

従業員数5,587人・平均年齢42.1歳・平均勤続年数18年3か月・平均年収1,482万円